神戸の花火大会の日のこと。
その日はあいにく娘のオケの練習、しかも前日からオケ合宿で、
練習が終わったのは午後10時。
花火見物帰りのひとでごった返す三宮の駅。
切符を買う人たちの長い行列もできていて、
ホームに上がると前に進むのもやっとなくらいそこもひとであふれかえっていました。
娘とはぐれないようにしっかり手をつないで、
やってきた電車に乗り込もうとしましたが、
どんどん後ろの人に押されて、乗り込む時に娘とはぐれてしまい、
後ろを振り返ることさえできず、娘が同じ電車に乗ったのかさえも確認できません。
絶対に乗ってるはず、そう信じるしかありませんでした。
ドキドキしながらいくつかの駅を通り過ぎ、
大きな駅でひとがやっと少し降りて空間ができ、
娘がわたしをみつけすぐにこちらに移動してきました。
娘がいたらしいほうをみると、浴衣姿の二人のお姉さんがニッコリ笑って会釈してくれました。
娘が「よかった~」と言いながら話してくれました。
いきなりはぐれたけど、隣にいたあの浴衣のお姉さんたちが
「大丈夫?」って声かけてくれて、自分も暑いだろうに団扇であおいでくれたり、
倒れそうだったからこのバッグにつかまっていいよって言ってくれたりと、とても優しくしてくれたそうです。
もしお母さんの携帯番号知ってるなら携帯も貸してあげるから電話していいからねとも。
そのお姉さんたち、髪は金色でメイクばっちりのいわゆるギャル系!?
街で見かけたら、わたしほぼ間違いなく顔をしかめてあらまぁ~!!!って思うかも。
うちの娘はああはなってほしくないって思うだろうな、きっと。
でもほんとみかけじゃないよなってこと実感しました。
乗換えの駅で彼女たちも一緒に降りたので、お礼を言うとニッコリ笑って娘に手を振りながら改札の方へ。
ほんとにありがとうございました、あの時のギャル風のお姉さんたち。
娘が電車の中で何気なく言いました。
「あのお姉さんたち、頑張りなさいって言わなかったんだよね、それがすごく嬉しかった」
胸にグサッと刺さりました。