
佐野洋子さん、リリー・フランキーさん、西原理恵子さんは武蔵野美大卒です。
この本は、佐野さんのお宅で、2007年に西原さんと、2009年にリリーさんとそれぞれ対談したもの。
(佐野さんは2004年に乳がんがみつかり、2006年には転移再発し医師から余命2年の宣告をうけます。
しかし余命は延びて2010年11月に永眠)


●佐野洋子語録●
自分で自分を変えない人、変えられない人、変えようという気がない人、それは結婚に向いている。
それから文句ばっかり言う人も向いている。一生文句言ってる人は向いている。
「あーでもない、こうでもない」と一生、夫の悪口を言いながら絶対別れないというのがいちばん多い気がする。
金と命は惜しむな(←佐野父の名言)
イ・ビョンホンはね、口を少し開いているとき、唇の両端に薄い膜ができるのね。そこに色気を感じるの。
●西原理恵子語録●
私らの間では、娘への共通ワードとして「九州男児と、ひとりっ子で専業主婦に育てられた男とは絶対に結婚しちゃいけません」というのがあるんです。
(好きなタイプを聞かれて)
昔、がたいがよかったり太った人が、年を重ねてちょっと垂れ下がってきて、肩や背中が丸くなってきたころがすごく素敵だと思うんですよ。
(少数派かと思ったらハードゲイの友人に「デブフケ専」はスタンダードノーマルな好みだからあなた正常よ!って言われたらしい)
若い男の子って、何も持ってないでしょう?それなのに、なんでもできるような口きくじゃない。あれはバカがうつるから嫌いなんです。
毎日、息子のこぼしたご飯粒ひろって、テーブルマナー教えているのに、若い男にベッドマナーまで教えなきゃいけないなんてぞっとする。「熟練工呼んでこい!」って感じ。
●リリー・フランキー語録●
女の人って弱々しそうな人ほど根性が悪い。根性が悪いから弱々しそうにしてるんだなって。

リリーさんは卒業して5年働かなかったそうです。
その間毎年思っていたのが
-「来年が今より悪いはずはない」「今より悪いことが見当がつかない」なんか自信ありました-
かたや西原さん
-「今日より明日は絶対に悪い日に違いない」「絶対に悪いことが起こるからお金を貯めとかなきゃ」-
あれだけ売れていても未だに日々楽観したことがないという。
ロマンチストな男と現実を生きる女の違いでしょうか。
ロマンチストなのは女だと子どもの頃は疑いませんでしたが、
夢見がちなのは絶対に男だと大人になって気づきました。
佐野さんが自分は日常生活をするために生きている。
そのためには仕事とお金が必要で、仕事のために生きているというふうに感じたことは一度もない。仕事は好きじゃないの。
って言ったら、
西原さんが「いい猫(100万回生きたねこのこと)がいらっしゃるから」って突っ込むんです。
うちもそういう猫、欲しいわっ!って。
さすが西原さんだと思いました(笑)
西原さん、対談の中で子どもの頃はものすごく貧乏だった、貧民層出身だ
という話をされますが、
貧乏なお家の子が地方から東京の私立のしかも美大になんて絶対に行けませんってわたしなんかは思っちゃいます。
同じ世代なんですが、ものすごく貧乏なお家の子は中卒か定時制を選んでいました。
まわりもそういうもんだって思ってましたね。可哀想とかなかったです。
選択肢に大学進学が入る余地は微塵もなかったと思います。
だから西原さんの語る貧乏の次元はどこか違うだろって思ってしまいますね。
リリーさんは、エッセイを読んだりテレビでの対談なんか聞いてると毎日飲んだくれて、
知的なスケベって感じがしますが、
対談の写真をみると、仕立てのよさそうな白いシャツをピシッと着て、背筋を正してお話しされている居住まいにヤラれます。
わたしこういう男性に非常に弱いんです(汗)
最後にリリーさんから佐野さんへのお手紙も収められているのですが、
そこには「存じます」って言葉がでてきたりするんです。
意外だったな~、リリーさんが存じますを使うなんて。
こういうのもリリーさんのテクニックだな、用心しなきゃって思うのですよ、わたし。
ってなに用心するんだろ(笑)
あと、リリーさんの本名が中川雅也だと知りました。
(思わず沖雅也が浮かびました)
あ~雅也ぽいな~リリー・フランキーって。
佐野洋子さんを中心にした対談集なのに、佐野さんの感想が少ないな(汗)
興味ある方はアマゾンのレヴューなんかをみて参考になさってください!
佐野洋子さんのエッセイもおもしろいです。
ただわたし、あれだけ読まれているらしい絵本「100万回生きたねこ」を読んだことがなかったんです。
手に取ったことはあるんだけど・・・。
